「いーーーやーーーだーーー!!!」
「大丈夫だって!死にやしないから!」
宿舎に響き渡る、断末魔にも似た叫び声。
その主は霜月だった。
「だ、だって、水!!」
「風呂に浸かるくらいなら大丈夫だよって言ってるじゃないかぁ」
霜月は部屋の戸口にしがみ付き、それを朱燕が引き剥がそうとひたすら引っ張っていた。
「やだ!!死にたくねえー!!」
「だから死なないって!命に関わるのはあくまで万気同士の話であって、普通に生活しながら触れる水は問題無いの!だからほら!さっさと風呂に行く!」
「やぁぁああああだぁぁああああ!!」
なかなか言うことを聞かない霜月。
騒ぎを聞き付け、食事の片付けを手伝っていた翳とアラクも駆け付けてきた。
「うるさいです」
「何事だ……」
「霜月くん、水を怖がってお風呂に入りたがらないんだよー。このままじゃ臭い臭いになっちゃうよー?」
霜月は何を言われても半泣きで首を横に振るばかり。
その様子を見ながら、アラクがふと何かを思いついた。
「……霜月」
霜月に歩み寄り、一言。
「風呂に行かねば水をぶっ掛けるぞ」
その言葉に霜月は凍り付き、慌てて戸口から手を離した。
「やだ!!やだ!!行くからやめてくれえ!!」
「よし。……朱燕、後は任せた」
「……了解」
朱燕は笑い出しそうなのを堪えながら、そのまま霜月を風呂場まで引きずっていった。
「……まさか本当に引っ掛かるとはな」
「ドジな人ですね」
程なくして、風呂場の方からけたたましい悲鳴が聞こえてきたのだった。
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tamatyanX (日曜日, 09 11月 2014 16:27)
え、ええええええーーーー(爆笑)
meishinkatari-sousaku (日曜日, 09 11月 2014 17:30)
>>tamatyanXさん
コメント有難うございます!
水がとても苦手(というか怖い)な霜月でしたとさ!w